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 筆者が保健所でHIV検査を受けてきたことで郵送検査キットとの相違点がわかったので、今回は2つの方法の違いをまとめてみる。なお郵送検査キットはSTD研究所の「性病検査STDチェッカー タイプE男性用」を選択した。保健所に出向くか自宅で完了させるか、選ぼうとしている人の参考になることを願う。

個人情報の開示
郵送キット:検査申し込みにあたって生年月日のみ記入する必要がある
保健所:個人情報の開示は一切ない

 個人情報を自ら開示する必要がある場面は唯一、郵送キットの申込書に生年月日を記入する部分のみだ。とはいえ生年月日それだけで個人を特定することはできないので、あなた自身の気持ちの問題で選んで構わない程度の話だろう。

検査を受ける事が他人にバレる可能性
郵送キット:同居人に郵送物を見られる、または同居人に検査物の廃棄物を見られる
保健所:保健所への出入りを見られる、または保健所内での遭遇

 これは大きな違いがある部分だ。郵送キットは無地の封筒で届くため一見何が入っているのかわからないし、検査物郵送用の封筒も特徴はなく、封筒を見られる限りはバレないだろう。同居人に中身を問われても適当に誤魔化せば良い。しかし中身を見られた場合はどうしようもないだろう。ひとり暮らしでない限り、検査に関わる現物を自分以外の誰かに見られる可能性という点が郵送キットのバレ要素だ。また、保健所の場合は検査に必要な現物がすべて保健所内で管理・処分されるので安全と言える反面、検査を受けに行く自分自身がバレ要素になる。保健所への出入りだけならまだ誤魔化せるかもしれないが、待合所で顔見知りと遭遇したらどうしようもない。
 まとめると、郵送キットは主に身内へバレるケース、保健所では主に知人へバレるケースが想定されるというわけだ。

結果がわかるまでの時間とタイミング
郵送キット:検査物の送付後、4日~1週間程度/いつでも検査できる
保健所:即日(採血から1時間程度)/保健所での実施日のみ

 これも大きな差がある。感染が心配な人にとっては保健所で即日判明することは嬉しいだろうが、その検査は毎日受け付けているわけではない。郵送キットは手元に届きさえすれば自分の都合で検査を済ませられる。結果をいち早く知りたければ、予約不要・受付随時という条件を満たす医療機関の検査を受けるのが最善だろう(ただし有料だったり他の兼ね合いが生じる場合もある)。

結果を知るには
郵送キット:HPでパスワード入力することで検査結果が表示される
保健所:口頭伝達のみ

 どちらの方法でも自分が安心するには充分だ。ただ、この検査を自分以外の誰かのためにやっている場合、保健所では証明書をもらうことはできないから「陰性だった」という言葉を信じるかどうかは悩みどころだ。一方、郵送キットの場合はHPで表示される検査結果を相手と一緒に見ることで証明手段とすることができる(相手の目の前でHPにアクセスする。結果表示画面を撮影した画像ではダメ)。

料金
郵送キット:9,936円(税込)
保健所:無料

 保健所の無料は際立つが、STDチェッカーにもHIVのみの検査キットがあり(4,968円)、ここまでに列挙した特徴との兼ね合いでは有料でも構わないという人もいるかもしれない。なお、ある医療機関ではHIV以外の性病検査が病名ごとに数千円かかる場合もあり、5種で約1万円という価格設定はやたら高額というわけでもないようだ。前述した方法で証明手段に使えるという意味では「証明書代金」と捉えることもできる。

HIV以外の同時検査
郵送キット:クラミジア・梅毒・淋病・B型肝炎
保健所:クラミジア・梅毒(申込みが必要で、やってない場合もある)

 これについては他の性病への心配度合い次第だろう。とはいえ、HIV以外の性病は何らかの症状が見える事も多く「自覚症状ないけど色々わかったほうが良いかも」みたいな理由だけで郵送キットを選ぶ道理はない。同じ理由で保健所での検査追加も自己判断で決めるべきだろう。

 なお話が逸れるが、保健所の検査が無料で受けられるのは税金が使われているからであり、HIV感染と自分が無縁だと信じている人達にとっては無料検査など税金の無駄遣いに見えるかもしれない。しかし、HIV感染を疑うような行為・シチュエーションに今まで一度も関わっていない人を除いた全員の不安を取り除ける手段として、あるいは万が一の感染者がいち早く自分の感染を知り感染拡大を防ぐきっかけとして、保健所の無料検査の有用性をぜひ読者の皆様も考えてみて欲しい。
 

 最後に、有料無料に関わらず心配なら検査を受けるのは当然の事と思う。HIVの感染してからエイズを発症するまでの潜伏期間は長く(10年以上の場合もあるとされている)、もし感染していた場合には本人無自覚のまま他人を巻き込んでいく可能性が高いというのが非常に危険なのだ。5年前10年前に出会った相手の「セックスは初めて」という言葉が真実だったという保証はどこにあるだろうか? しかしHIV検査の判定それ自体は、感染から2ヶ月経っていれば検出できる。これは決してあなただけの問題ではないはずなのだ。それでは今回はこれにて。

 2018_07_06


 筆者はHIV感染の確認に通販郵送タイプの性病検査キットを使っているが、同じ目的の検査なら保健所でも受けられるので一度体験してみようと思い、初めて近所の保健所に行ってきた。今回はそのレポートとなる。

 ところでHIV検査を受けられる保健所は全国各所にあり、HIV感染の疑いをハッキリさせたいだけなら保健所で完了できる。また、現在HIV検査にはスクリーニング検査という方法が使われていて検査を受けた当日に結果を知ることができる。検査を受ける日時さえ決めれば、その日が感染の疑いを晴らす日となるわけだ。郵送タイプだと自由なタイミングで検査できる反面結果がわかるまでに数日を要するので、検査と結果判明がバラバラだと嫌だという人には保健所が良いと思う。では、当日の検査の様子を追いながら検査の全容をお伝えしよう。

 まず、筆者が利用した保健所では検査を受ける前日までに電話予約が必要だった。最寄りの保健所を見つけた2日後が検査実施日だったのですぐ予約を取り、当日の受付時間に保健所を訪れた。保険証や身分証明書は不要なのでこれといった手荷物はない。検査は無料で受けられるため何なら財布も所持不要だ。レントゲン撮影のような食事制限もなく、事前準備という観点ではまったく手間がかからない。

 保健所に入り受付で問診票を受け取ると「今日はこの番号でお呼びしますので憶えておいてくださいね」と言われた。各々が受け取る問診票にあらかじめ番号が割り振られているため、氏名を明かさなくても順番通り呼ばれるというわけだ(問診票にも記入不要)。待合室で各項目へ記入しつつ自分の番号が呼ばれるのを待つ。筆者には18番が宛てられており後にも数人が続いていたので当日20人ほどが検査を受けていたのかなと思う。

 10分ほどすると筆者の番号がアナウンスされ、個室で担当員の方とマンツーマンでの問診が始まった。検査内容は把握していますかという掴みから、消毒用アルコールのアレルギーはないですか、血液検査で体調が悪くなったことはないですか等の質問、HIV検査に加えてクラミジアと梅毒の検査を受けるかどうかの選択といった話が続く。また、約0.3%の確率で未感染でも陽性反応が出る場合があることを念押しされた。(もし陽性反応が出ても即座に感染確定ではないよという説明として必要な話であることはわかるが、とはいえ陽性反応なら約50%の確率で感染確定だ)

 問診が終わると採血室前で待つよう促され、程なくして再び番号で呼ばれた筆者は採血へと進む。ここでの採血はいわゆる健康診断のそれと変わらないものだったが、採血した血液を収める試験管状の器具に記されている管理番号が問診票に書き込まれた管理番号と一致していることを目視で確認するようしっかりと言われた。ここで間違いが起きれば他人の血液による検査結果を伝えられてしまうので当然しっかりと見比べた。余談だが、注射の痛みが苦手という読者の方には、郵送検査キットの採血手段の方が痛みが強いことをこっそりと伝えておく(筆者の体感です)。

 採血が終わればあとは検査結果を待つばかりだ。1時間ほどで判明するとのことで待合室の展示を見て回って過ごすことにする。テレビにはHIV関連の詳しい解説が流れ、壁にも各種資料やポスターが並んでいる。資料スペースには発行物も数十冊並んでおり、特に持ち出し禁止のシールが貼られた冊子には濃い情報が満載だったので、デジタル化して公開してほしいと思った。また「akta」という小冊子がLGBTやセーファーセックス関連の読み物として見やすくまとまっていた(数冊もらってきて少しずつ読んでいる)。

 ちなみにこの保健所では、HIV検査を受ける人全員が同じ待合所で待つことになっており、座席は学校の机のように部屋の1方向へ向かって並んでいたので、各々がわざわざ横や後ろをしっかり振り返らない限りはお互いの顔を正面から見ることは難しい環境だった。しかし、問診で案内されたのがたまたま待合所の前方の部屋だったため、部屋から待合所に戻るその時、どんな人が来ているのかその顔までもが一瞬ながら見えた。筆者はそれで誰かの顔を記憶できるような頭は持っていないが、もし顔見知りが入れば気がつけちゃうかもしれないなとも思った。

 そうしている間にも番号のアナウンスは続き、いよいよ筆者の番がやってきた。問診してもらった担当員の方と再び対面し検査結果が伝えられる。結果として筆者は検査陰性で、その伝達手段も口頭説明のみなのでほんの数秒で終わり。本当にあっという間の結果発表だった。一人あたりの問診時間割当に余裕があったかどうかはわからないが、他に気になることや質問があれば聞いて構いませんよとのことで、HIV検査に郵送の検査キットを使っていた事を話したり(その検査キットがHIV含めた性病5種類の検査で1万円という価格なのは「割と安い」と仰っていた)、スクリーニング検査の少し詳しい仕様などを教わったりした。

 こうして保健所到着から約1時間30分、筆者のHIV検査は終了した。なお、検査結果は口頭で伝えられるのみで証明書などの書類はもらえない。自分自身が安心するためにはこれで充分と言えるが、他人に信じてもらうための公式な証明物はないので、HIV感染していないと宣言している人を信じるか信じないかは自分で決めるしかないということでもある。何のために、誰のために、HIV検査を受けるのか。各々よく考えて検査と結果を利用する必要があるだろう。なお、現在の検査では3ヶ月前より最近の感染を検出することはできないとされている。もし読者のあなたが昨夜危ういセックスをしたとすれば、そのセックスでHIV感染したかどうか疑いを晴らせるのは早くても3ヶ月後ということになる。あなたはその3ヶ月をまったく不安に苛まれずに過ごせるだろうか。


 最後に、読者の皆様が任意のHIV検査施設を探したい場合に役立つ「HIV検査相談マップ」というHPをお勧めしておく(問診時に紹介してもらった)。即日検査の有無や無料で受けられるかどうかの検索条件絞り込みも簡単にできる。

「HIV検査相談マップ」
全国HIV/エイズ・性感染症検査相談窓口情報サイト
https://www.hivkensa.com

それでは今回はこれにて。
 2018_07_06


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