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 射精という現象は男性自身の感覚のみならず絶頂のサインとして他人の目にも明らかなので、セックスにおいて男性側がイッた回数を示す数字としてもよく使われている。そして遥か昔からこの数字は多い方が良いとされてきた。それはおそらく次のような理由があったからだと考えられる。

・射精回数が多いほど妊娠の確率を高めることができる(生存本能)
・より多くの回数射精できることが精力の強さを示す(男同士での力の誇示)
・射精回数が多い=女性を喜ばせられる回数が多いという考え方(女性に対するプライド)

 1回の射精で出せる精液の量を増やすのは難しいが射精回数なら精神力と訓練で増やすことができる。一部では精液の量が多いのも良いことだという節はあるものの、その量をわざわざ測って比較する人はまずいないし、3mlと6mlで俺の方が2倍も出てるぜ!と主張したところで相手は大した凄みも感じないだろう(わーすごいねーと言われて1分後には忘れられている)。

 だが回数という数字は絶対だ。1回しかできない男にとって、2回めの射精は遥か彼方に霞んで見える幻のようなもの、自分ひとりの力ではまず辿り着けない。逆に3回ぐらい余裕でできる男はセックスという行為そのものに少なからず自信を持っているし、1回2回でバテているような男はセックスという駆け引きにおいて警戒無用の存在に見えていることだろう。あるいは、もし女性から「えー、1回で終わりなのー?」と言われたらショックを感じる男性も少なくないはずだ。男達は、周りの男達が口にする射精回数の真偽も問えないまま、一晩のセックスにおいて何とか1回でも多く射精しようと頑張っている。

 と、概ねここまでが主に男性目線で捉えた射精界隈(笑)の話だ。問題はこのような実態を女性側がどう思っているのかという点である。いろいろ聞いてみると女性からの意見としても、射精する瞬間を見たい、射精してくれると嬉しい、射精=セックスの終わりあるいは区切りと捉えている、などのいろいろな視点があり、射精という現象それ自体は概ね好意的に捉えられているようなのだが、男性と決定的に違うところがひとつあり

女性が気持ち良くなれているのは射精より前の時間帯であり、女性にとって射精は単なる結果でしかなく、回数の多い少ないは女性の満足度に影響していない

 というのが多くの女性の心理として読み取れる。セックスにおいて絶頂の瞬間が一番気持ち良いのは間違いないが、それは絶頂に至るほどの快感が存分に楽しめたからこそ到達できる境地なのであり、快楽を楽しんでいる時間は絶頂までの道程の方が明らかに長い。振り返って冒頭の射精回数が多い方が良い理由を見直してみると、そこにセックスそのものを楽しむ気持ちや相手に満足してもらうための理由がまったく成立していないことがおわかり頂けると思う。射精というわかりやすい数字だけを追いかけて、結果ばかりを重視した、女性にとってはまるで意味のない価値観が未だに存在しているのだ。

 終わりよければ全て良しという言葉があるが、セックスの終わりは男性の射精ではなく両者の満足だ。射精して満足してるのは貴方だけ、それで「終わりよければ」と思い込んでいるのも貴方だけだ。何回射精したかなんて競うぐらいなら、相手に充分満足してもらう事に全力を傾ける方がまだ良いだろう。男性諸兄の正しい努力に期待する。それでは今回はこれにて。
 2018_07_23


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