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脳イキの実態に関する女性側の体験談レポート

カテゴリ: 技術論  

 筆者が最近興味を持っているエロプレイに「脳イキ」というものがある。2018年初頭、あるネット番組でこの言葉と実際のプレイの様子が紹介されて以降、興味を持った人達の間で静かな流行として広がっている。また、夏頃からは自称脳イキ師達の「アイツのやり方は間違っている、俺のやり方こそ正しい」みたいな小競り合いも見られるようになり、良くも悪くも脳イキ界隈が活性化しつつあるという感じでおもしろい。

 どうやら、そのネット番組で脳イキが紹介されたのはほんの数分で、具体的なプレイの流れやノウハウの説明はなかったみたいだが、本気で知りたい人達には先駆者によるセミナーなどちゃんと学べる機会もあるため、否定しあっている脳イキ師のどちらかが実際インチキだと決めつけるのはちょっと焦りすぎだ。しかし、方法論での小競り合いが起きるということは、少なくとも各々の持っている技術に食い違いがあるということは間違いないだろう。

 こうした状況を見て、筆者は「じゃあ脳イキ体験者は実際何をされてイってるんだ?」という点に興味が湧いた。方法論ではなく受け取る側の捉え方こそが重要だと思ったのだ。そこでTwitterで募集をかけたところ計9名の女性から実体験のお話を伺うことができたので、今回はそのまとめをお伝えしたいと思う。以下、さっそく女性達の体験談を列挙する。
(テキスト量が多いのでどうぞゆっくりご覧頂きたい)

◆ Aさんの場合
【脳イキの手段】
 通話による音声・脳イキ系の動画視聴。会話でイく場合は、Aさんにとって性感を感じたシチュエーションを思い出すよう、そしてその記憶を強くイメージするように誘導されることで、絶頂に至る。

【快感の程度】
 セックスは未経験だが、オナニーで得られる快楽を遥かに上回るもの。終わった後に立ち上がれなかったほど。オナニーでの絶頂は脳イキに比べれば静かなもので、脳イキの快感はどんどん気持ち良さが強くなる。

【疲れや体力の消耗について】
 最初の頃は筋肉痛も起きるし喉も枯れるしで、かなり大変だった。激しくイキ続けなければ、それほど疲れない。

【その他】
 最初の頃に観てそこそこ良いなと思っていた動画が、脳イキ達成後にはめちゃめちゃ気持ちよく観れるようになった。特にお気に入りのセリフをリピート再生できるので動画は最高。通話はセリフの自由度がある代わりに繰り返しちょうどよい言葉だけを聴くことは難しい。動画と通話、それぞれに良い面がある。
 また、聞いたとおりに想像しなくても、自分好みの妄想を挟み込むことで一層気持ち良くなれる自由さが楽しい。


◆ Bさんの場合
【脳イキの手段】
 通話による音声での導き。

【快感の程度】
 寝る直前や寝起きに感じるような、ヌルめの湯にまったり浮かんでるような浮遊感に似た快感。

【疲れや体力の消耗について】
 体力の消耗も感じるし筋肉痛が残るが、むしろ脳に負担を感じる。何日も連続でやるのは無理で、息抜きが必要。

【その他】
 一度「指パッチン」の音で感じるプレイをやって以降、同じような音を聴いて反応するようになった。導くのが上手かった人と連絡が取れなくなって、今では下手な人が相手だと満足できない。また、相手に対する好意がないと、脳イキはできても精神的満足感を得にくい。
 気持ちよくさせてもらう受身の態勢ではなく、気持ちよくなる努力、精神的ワクワク感、自分なりの想像力を併用する必要がある。


◆ Cさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏との通話。罵倒されることで快感を得て絶頂する。もともと好きな人の声で気持ち良くなれる感覚はわかっていたが、プレイとして試してみたところ脳イキを達成した。

【快感の程度】
 入力されてくる様々な刺激を自分にとって気持ち良く感じるというモードに入ることで、声の振動・罵倒されて惨めな自分など何でも快感になる。直接触れる快感に比べて、触れない方が気分が高まりやすい気がする。ただし、結果として得られる快楽の方向性は、セックスでも脳イキでも変わらない。むしろ、通常のセックスの方が満足するまでの過程に充実感がある。

【疲れや体力の消耗について】
 めちゃくちゃ疲れる。筋肉痛にもなる。

【その他】
 意図しないタイミングで脳イキが起きるので困る場合がある。好きな声質のツイキャスを聞いてて発動したり、キュンとくる感じのツイート見た時、好きな人が使ってるのと同じボディーソープの匂いを嗅いだ時など、割といろんな場面で来てしまう。


◆ Dさんの場合
【脳イキの手段】
 パートナーによる首絞め。脳の酸素不足が起きることで、腰を中心として全身に痙攣とゾワゾワした快感が生じて、絶頂に至る。

【快感の程度】
 言葉で言い表せないほど強い快感。酸欠ではなく気持ちよすぎるのが原因で失神することもあり、意識が戻ったら呼吸と精神が落ち着くまでパートナーに抱きついている。強い快感だけでなく、弱めに首絞めされることで甘い快楽を感じることもできる。いろんなプレイをしたが、この首絞めだけが突出して気持ち良い。普通のセックスも気持ち良いけれど、底まで沈んでいくような深みを感じない。

【疲れや体力の消耗について】
 イった後は10分ほど身動きが取れないぐらい疲れる。また、子宮が筋肉痛になり3日間ほど鈍痛が残る。

【その他】
 オナニーなど日常的な性生活で不完全燃焼してしまうようになった。首絞め脳イキで存分に楽しんでおり、パートナーもフェラ等で満足していることもあって、今では普通のセックスはやらなくなってる。


◆ Eさんの場合
【脳イキの手段】
 動画やボイス投稿サイトでの音声視聴で身体が震えるのを体験。繰り返す内に快感を得て絶頂を達成した。

【快感の程度】
 好きな音声を聴いていると腰や身体がガクガクしてくる。勝手に声が漏れて口が閉じれない。音声の内容が彼氏とのことを想像できる内容だと一層興奮する。オナニーの鋭い快感と違って、脳イキにはふわふわと浮遊感を伴う快感がある。
 セックスは未経験だが、音声で身体を触られているシチュエーションを言われると、まるでその部位を本当に触れられているような錯覚を感じる。むしろ、妄想は無制限なので好きなだけ感じられる自由さがある。

【疲れや体力の消耗について】
プレイ後にそのまま眠くなる事が多く、体力消耗を実感している。

【その他】
 脳イキプレイをする場面ではないタイミングで、相手は脳イキさせるつもりじゃなくても、私だけ勝手に気持ちよくなってしまう事がある。


◆ Fさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏とのエロイプ。彼氏の声で膣を締めるよう誘導されることで快感が高まり絶頂に至る。

【快感の程度】
 セックスで限界までイった時と同じぐらいの快感を得られる。もともと自分で膣を締めることで快感を得ることが可能だったが、これを彼氏の誘導でパワーアップさせられた印象。上手くいけば、深呼吸するだけで絶頂に達する場合もある。
 普通のセックスも好きだが、パートナー共々エロイプが性に合っており、脳イキプレイにとても満足している。言われる言葉の内容によっては、通常のセックスを遥かに上回るほどイく場合がある。

【その他】
 「触りたくても絶対に触るな、そのままマンコ締めてイッてみせろ」と言われてイッた時、腰が勝手に動いてセックスで深くイク時と似た感じになったのが驚き。
 とにかく精神的高揚感をどれだけ得られるかが大事。そのための言葉選びがとても重要。


◆ Gさんの場合
【脳イキの手段】
 性器以外の刺激をOKとするなら、ほぼ全身どこでもイケる。舐めるふり、見つめられる、電話で名前を呼ばれるなど。髪の先端付近を触られることでも快感を感じたりする。
 特に印象に残っている特徴的な部位が鎖骨で、もともと触られて気持ちよかったが、鎖骨を舐められてイけた経験がそれ以降の様々な脳イキのきっかけになっている。

【快感の程度】
 快感の強さとしてはセックスと変わらず、セックスと同じようにその日の体調やプレイ内容、没頭度合いなどで得られる快感は増減する。とはいえ、やはり性器での絶頂が本番で、脳イキは前戯という認識。肉体的な快感と精神的な幸福感という違いがある。
 例えるなら「寝起きに崖から落ちる感覚」が快感の質に近い。あるいは、洗濯機で回る洗濯物を眺める、時計の秒針を眺める、バイノーラル録音の生活音を聞く、みたいな気持ちよさという感じ。

【疲れや体力の消耗について】
 疲れはほとんどない。それはそれは幸せな気分で眠りに落ちるので、長時間のプレイで睡眠が削られていても翌日はスッキリ目覚める。

【その他】
 これは脳イキの快感で、あれは肉体的な快感だ、といった分類が自分の中で曖昧なものになり、もはや分類する意味はなく、セットで楽しむようになっている。


◆ Hさんの場合
【脳イキの手段】
 キス、目を見つめられる、耳元で囁かれる、フェザータッチ、首を吸われる、乳首愛撫など。上手くいけばスパンキングでも達する。

【快感の程度】
 いろんな手段で絶頂を感じるが、脳イキまでいかなくても子宮がぎゅっと締まり背筋が沸き立つようにゾワゾワして極端に脚に力が入らなくなる。
 相手からの刺激→脳→子宮という順序で快感が生じると考えていて、多分この「気持ちよくなろうスイッチ」の切り替えが私は割と上手いのかなと思う。

【その他】
 中イキしたり感じるためには相手に無防備になることが必要と言われるが、それに近いと思う。大好きで信頼してるからこそ脳イキできる。多分ワンナイトの相手では絶対に無理。
 彼氏が隣に座っただけで発動することもあり、動いたり喋ったり話しかけられるとそのまま止まらなくなるので、目をつぶって呼吸を整える意識をして静かにして…座禅でもするみたいなイメージ。


◆ Iさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏とエロイプしていて「触らずにイケるか」を試すことになり、そのセックスを思い出したらイけた。思い出した記憶と妄想のごちゃ混ぜ。エロイプの音声ではなく、妄想内での彼氏のセリフによって導かれた。妄想ではない実際の声かけでも脳イキできる。

【快感の程度】
 妄想なので自分の精神状態に的確なセリフをいくらでも再現できる。膣内壁が擦れあい、まるで挿入されているような快感もあった。脳内のGスポットを妄想で刺激するイメージ。また、実際のセックスでの中イキ体験の凄さも妄想する際に一役買っている。(膣以外の感覚がなくなり、痙攣が始まって意識が飛ぶ)

【その他】
 妄想している同じ言葉でも、彼氏以外に言われたらと思うと気持ち悪いだけ。

 ◆◆◆

 いかがだっただろうか。各々が等しく「脳イキしました」と言っているプレイの内容がこれほどまで幅広いものになっているとは、筆者もインタビューしてみるまで想像できなかった。こうなると、一般的なセックスで行うとされる行為以外のすべてが脳イキに含まれると言っても良い。「性器に触れずとも脳が勘違いしてイってしまう」というのが脳イキの定義ならば、インタビューに応えてくれた彼女たちの体験は全員まさしく脳イキだった。

 では、脳イキに正解はないのだろうか? これについては今のところ、脳イキ=各々が創意工夫して楽しむ幅広いプレイであり方法論を統一できるようなプレイではない、と考えるのが良さそうだ。脳イキ師達が成功させた各々の手法はどれも間違っているわけではなく、単純に成功したその女性に対しては効果的だったという結果論で正しかったのだ。女性が何を好むかという個性が多岐にわたる以上、脳イキ達成への導線も同じだけ多岐にわたるはずで、そう考えると脳イキ師のテクニックは今後細分化していくのが自然な流れではないだろうか。「アイツの方法も俺の方法も、それぞれ相性が合う女性が居る」というわけだ。

 何より、他の愛撫とまったく同様に「相手にとって好ましいシチュエーションを上手く妄想させられるよう誘導するための深いコミュニケーションが快楽の鍵になる」という点が真に重要だと理解すれば、脳イキに導こうと男性が頑張ることはコミュニケーションを図る良い訓練になり得るだろう。幸いにして、女性は男性よりも想像力が豊かだと言われている。ならばその想像力を後押しするような言葉を見つけられればもはや成功は目前のはずだ。導く側に与えられたこのアドバンテージを活かせるよう、諸兄の健闘をお祈りする。
 それでは今回はこれにて。

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 2018_09_14

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