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 好きで好きで仕方なかった相手と結ばれ恋人として付き合い始めると、それまで知らなかった欠点や好ましくない面が徐々に見えてくる。自分の恋人にそんな欠点があることなど到底耐えられず、友達への愚痴が回り回って本人へ伝わったり、改善要求として直接本人へ伝えられたり、あるいはツイートのネタとして全く関係ない誰かが目にしてそれっきりだったりするが、おおよそ我慢できなくなるのは相手が改善要求を知った上でその欠点を直そうとしない時だ。その欠点を大した問題ではないと考えているのか、直すこと自体に関心がないのか、ただ頑固なのかは本人の素質に依るが、恋人が自分の提案を受け入れてくれないというのは、恋人から無視されているに等しい、と多くの人が考えている。

 どんなに伝えても相手は一向に直してくれない――改善要求している側の気持ちを想えば、惨めで悲しい感情に打ちひしがれていることだろう。ただ、こういう場合はもう一方の立場、つまり改善要求されている側の視点も考えてみるべきだ。筆者が相談を受けてきた中で、改善要求する側の実態には次のような例があった。

①本人は改善要求を伝えているつもりだが、相手に肝心な部分が伝わっていない
②そもそも改善要求を伝えていない
③改善要求は伝わっているが、それに対する相手の見解が明らかにされていない
④その改善要求が、本当に直すべきものかどうか検討されていない

 ①は言葉選びや相談する雰囲気の問題だ。何が問題になっていてどのように改善されれば納得できるのかが相手に伝わりきっていないため、言われた問題を改善しようにもどうすればいいのかよくわからない。言う側は伝えた気になっているから補足もしない。この「伝えた気になっている」というのが厄介で、意外と少なくない人が不満をただそのまま伝えるだけで相手に理解してもらえると思い込んでいる。例えば「前戯が短くて物足りない」という不満は一見わかりやすいように思えるが、改善する側の視点に立つと「今までどおりの内容で時間だけ延ばせばいいのか、だとしたらどの程度長くすればいいのか、前戯の種類ごとのバランスはどうすればいいか、実はそもそも前戯の種類が足りないという話なのか…」と考え過ぎて迷宮入りしたりする。不満には必ず原因があり、その原因は殆どの場合明確なのだが、その明確な原因は不満を感じている本人しかわからない。これを相手に伝えられないのは要求する側の落ち度と考えるべきだろう。(それを察しろというのはいよいよ酷な話だ)

 そして、この問題の究極が②に該当する。相談内容についてよくよく聞いてみたら実はその不満を相手に共有した事がなかったと判明する。そんなバカなと思われるかもしれないがこれも意外と少なくないケースで、その最たる理由が「この不満を相手に伝えたら嫌われてしまうかも知れず、とてもじゃないけど言えない」という感情によるものだった。この場合、①のケースとは違うストレスが発生するのが特徴的で、伝えたのに改善してくれないというケースでは相手への不満が溜まるだけだが、嫌われるのが怖くて伝えられないケースだと、伝えられない自分が悪いという自虐的なストレスが溜まっていく傾向が強い。内側に向いたストレスは怒りなどの形で発散できない分、限界まで自分を追い込んでしまうことも多い。相談内容に「もう疲れてしまいました」など諦めの言葉が含まれるのは大抵このケースである。

 ③は主に要求された側の落ち度だ。いつ直すか、どう直すか、問題点の確認やどうすればいいかといった相談などが足りていない。ただ、可能であれば改善要求する側から、要求と同時に相手と話し合うという形で寄り添って欲しいと願う。改善要求するその時点で、問題をより深く考えているのは間違いなく要求する側のあなたなのだ。具体的な改善案もあなたの方が明確に思い描けているはず。改善すべきはもちろん相手だが、それをあなたがサポートしても損はないだろう。

 ④は視野が狭くなっているケースだ。その不満が行き過ぎた理想に囚われたものである危険を回避するためには、やはり話し合いが重要となる。常識的な判断がどんなときでも可能な人間はまずおらず、それが恋愛感情という土台に乗れば一層不安定なものとなる。いわゆる「冷静に考えてみたら私が間違っていたかも」というやつで、恋人との検討でそこに気づけるのが理想ではあるが、好きな相手のイヤな部分について冷静に話し合うというのはやはり簡単ではないようである。

 このような感じで、恋人へ改善要求する際には陥りやすいパターンがあるようだ。せっかく得られた恋人という素晴らしい間柄を、こんな些細なコミュニケーション不足で台無しにするなど非常にもったいないことだと筆者は思う。相手のイヤな所も話し合って改善さえしていけるなら、お互いに理想的な恋人へ変化していくことも充分期待できるだろう。伝えたつもりにならず、問題点と改善策を明確にして、一緒に改善を目指す。これができるなら、好きな相手とのセックスどころか生活の全てにおいて満足して付き合っていけるかもしれない。皆様のより良いコミュニケーション改善を願いつつ、それでは今回はこれにて。


 2018_10_12


 筆者が最近興味を持っているエロプレイに「脳イキ」というものがある。2018年初頭、あるネット番組でこの言葉と実際のプレイの様子が紹介されて以降、興味を持った人達の間で静かな流行として広がっている。また、夏頃からは自称脳イキ師達の「アイツのやり方は間違っている、俺のやり方こそ正しい」みたいな小競り合いも見られるようになり、良くも悪くも脳イキ界隈が活性化しつつあるという感じでおもしろい。

 どうやら、そのネット番組で脳イキが紹介されたのはほんの数分で、具体的なプレイの流れやノウハウの説明はなかったみたいだが、本気で知りたい人達には先駆者によるセミナーなどちゃんと学べる機会もあるため、否定しあっている脳イキ師のどちらかが実際インチキだと決めつけるのはちょっと焦りすぎだ。しかし、方法論での小競り合いが起きるということは、少なくとも各々の持っている技術に食い違いがあるということは間違いないだろう。

 こうした状況を見て、筆者は「じゃあ脳イキ体験者は実際何をされてイってるんだ?」という点に興味が湧いた。方法論ではなく受け取る側の捉え方こそが重要だと思ったのだ。そこでTwitterで募集をかけたところ計9名の女性から実体験のお話を伺うことができたので、今回はそのまとめをお伝えしたいと思う。以下、さっそく女性達の体験談を列挙する。
(テキスト量が多いのでどうぞゆっくりご覧頂きたい)

◆ Aさんの場合
【脳イキの手段】
 通話による音声・脳イキ系の動画視聴。会話でイく場合は、Aさんにとって性感を感じたシチュエーションを思い出すよう、そしてその記憶を強くイメージするように誘導されることで、絶頂に至る。

【快感の程度】
 セックスは未経験だが、オナニーで得られる快楽を遥かに上回るもの。終わった後に立ち上がれなかったほど。オナニーでの絶頂は脳イキに比べれば静かなもので、脳イキの快感はどんどん気持ち良さが強くなる。

【疲れや体力の消耗について】
 最初の頃は筋肉痛も起きるし喉も枯れるしで、かなり大変だった。激しくイキ続けなければ、それほど疲れない。

【その他】
 最初の頃に観てそこそこ良いなと思っていた動画が、脳イキ達成後にはめちゃめちゃ気持ちよく観れるようになった。特にお気に入りのセリフをリピート再生できるので動画は最高。通話はセリフの自由度がある代わりに繰り返しちょうどよい言葉だけを聴くことは難しい。動画と通話、それぞれに良い面がある。
 また、聞いたとおりに想像しなくても、自分好みの妄想を挟み込むことで一層気持ち良くなれる自由さが楽しい。


◆ Bさんの場合
【脳イキの手段】
 通話による音声での導き。

【快感の程度】
 寝る直前や寝起きに感じるような、ヌルめの湯にまったり浮かんでるような浮遊感に似た快感。

【疲れや体力の消耗について】
 体力の消耗も感じるし筋肉痛が残るが、むしろ脳に負担を感じる。何日も連続でやるのは無理で、息抜きが必要。

【その他】
 一度「指パッチン」の音で感じるプレイをやって以降、同じような音を聴いて反応するようになった。導くのが上手かった人と連絡が取れなくなって、今では下手な人が相手だと満足できない。また、相手に対する好意がないと、脳イキはできても精神的満足感を得にくい。
 気持ちよくさせてもらう受身の態勢ではなく、気持ちよくなる努力、精神的ワクワク感、自分なりの想像力を併用する必要がある。


◆ Cさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏との通話。罵倒されることで快感を得て絶頂する。もともと好きな人の声で気持ち良くなれる感覚はわかっていたが、プレイとして試してみたところ脳イキを達成した。

【快感の程度】
 入力されてくる様々な刺激を自分にとって気持ち良く感じるというモードに入ることで、声の振動・罵倒されて惨めな自分など何でも快感になる。直接触れる快感に比べて、触れない方が気分が高まりやすい気がする。ただし、結果として得られる快楽の方向性は、セックスでも脳イキでも変わらない。むしろ、通常のセックスの方が満足するまでの過程に充実感がある。

【疲れや体力の消耗について】
 めちゃくちゃ疲れる。筋肉痛にもなる。

【その他】
 意図しないタイミングで脳イキが起きるので困る場合がある。好きな声質のツイキャスを聞いてて発動したり、キュンとくる感じのツイート見た時、好きな人が使ってるのと同じボディーソープの匂いを嗅いだ時など、割といろんな場面で来てしまう。


◆ Dさんの場合
【脳イキの手段】
 パートナーによる首絞め。脳の酸素不足が起きることで、腰を中心として全身に痙攣とゾワゾワした快感が生じて、絶頂に至る。

【快感の程度】
 言葉で言い表せないほど強い快感。酸欠ではなく気持ちよすぎるのが原因で失神することもあり、意識が戻ったら呼吸と精神が落ち着くまでパートナーに抱きついている。強い快感だけでなく、弱めに首絞めされることで甘い快楽を感じることもできる。いろんなプレイをしたが、この首絞めだけが突出して気持ち良い。普通のセックスも気持ち良いけれど、底まで沈んでいくような深みを感じない。

【疲れや体力の消耗について】
 イった後は10分ほど身動きが取れないぐらい疲れる。また、子宮が筋肉痛になり3日間ほど鈍痛が残る。

【その他】
 オナニーなど日常的な性生活で不完全燃焼してしまうようになった。首絞め脳イキで存分に楽しんでおり、パートナーもフェラ等で満足していることもあって、今では普通のセックスはやらなくなってる。


◆ Eさんの場合
【脳イキの手段】
 動画やボイス投稿サイトでの音声視聴で身体が震えるのを体験。繰り返す内に快感を得て絶頂を達成した。

【快感の程度】
 好きな音声を聴いていると腰や身体がガクガクしてくる。勝手に声が漏れて口が閉じれない。音声の内容が彼氏とのことを想像できる内容だと一層興奮する。オナニーの鋭い快感と違って、脳イキにはふわふわと浮遊感を伴う快感がある。
 セックスは未経験だが、音声で身体を触られているシチュエーションを言われると、まるでその部位を本当に触れられているような錯覚を感じる。むしろ、妄想は無制限なので好きなだけ感じられる自由さがある。

【疲れや体力の消耗について】
プレイ後にそのまま眠くなる事が多く、体力消耗を実感している。

【その他】
 脳イキプレイをする場面ではないタイミングで、相手は脳イキさせるつもりじゃなくても、私だけ勝手に気持ちよくなってしまう事がある。


◆ Fさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏とのエロイプ。彼氏の声で膣を締めるよう誘導されることで快感が高まり絶頂に至る。

【快感の程度】
 セックスで限界までイった時と同じぐらいの快感を得られる。もともと自分で膣を締めることで快感を得ることが可能だったが、これを彼氏の誘導でパワーアップさせられた印象。上手くいけば、深呼吸するだけで絶頂に達する場合もある。
 普通のセックスも好きだが、パートナー共々エロイプが性に合っており、脳イキプレイにとても満足している。言われる言葉の内容によっては、通常のセックスを遥かに上回るほどイく場合がある。

【その他】
 「触りたくても絶対に触るな、そのままマンコ締めてイッてみせろ」と言われてイッた時、腰が勝手に動いてセックスで深くイク時と似た感じになったのが驚き。
 とにかく精神的高揚感をどれだけ得られるかが大事。そのための言葉選びがとても重要。


◆ Gさんの場合
【脳イキの手段】
 性器以外の刺激をOKとするなら、ほぼ全身どこでもイケる。舐めるふり、見つめられる、電話で名前を呼ばれるなど。髪の先端付近を触られることでも快感を感じたりする。
 特に印象に残っている特徴的な部位が鎖骨で、もともと触られて気持ちよかったが、鎖骨を舐められてイけた経験がそれ以降の様々な脳イキのきっかけになっている。

【快感の程度】
 快感の強さとしてはセックスと変わらず、セックスと同じようにその日の体調やプレイ内容、没頭度合いなどで得られる快感は増減する。とはいえ、やはり性器での絶頂が本番で、脳イキは前戯という認識。肉体的な快感と精神的な幸福感という違いがある。
 例えるなら「寝起きに崖から落ちる感覚」が快感の質に近い。あるいは、洗濯機で回る洗濯物を眺める、時計の秒針を眺める、バイノーラル録音の生活音を聞く、みたいな気持ちよさという感じ。

【疲れや体力の消耗について】
 疲れはほとんどない。それはそれは幸せな気分で眠りに落ちるので、長時間のプレイで睡眠が削られていても翌日はスッキリ目覚める。

【その他】
 これは脳イキの快感で、あれは肉体的な快感だ、といった分類が自分の中で曖昧なものになり、もはや分類する意味はなく、セットで楽しむようになっている。


◆ Hさんの場合
【脳イキの手段】
 キス、目を見つめられる、耳元で囁かれる、フェザータッチ、首を吸われる、乳首愛撫など。上手くいけばスパンキングでも達する。

【快感の程度】
 いろんな手段で絶頂を感じるが、脳イキまでいかなくても子宮がぎゅっと締まり背筋が沸き立つようにゾワゾワして極端に脚に力が入らなくなる。
 相手からの刺激→脳→子宮という順序で快感が生じると考えていて、多分この「気持ちよくなろうスイッチ」の切り替えが私は割と上手いのかなと思う。

【その他】
 中イキしたり感じるためには相手に無防備になることが必要と言われるが、それに近いと思う。大好きで信頼してるからこそ脳イキできる。多分ワンナイトの相手では絶対に無理。
 彼氏が隣に座っただけで発動することもあり、動いたり喋ったり話しかけられるとそのまま止まらなくなるので、目をつぶって呼吸を整える意識をして静かにして…座禅でもするみたいなイメージ。


◆ Iさんの場合
【脳イキの手段】
 彼氏とエロイプしていて「触らずにイケるか」を試すことになり、そのセックスを思い出したらイけた。思い出した記憶と妄想のごちゃ混ぜ。エロイプの音声ではなく、妄想内での彼氏のセリフによって導かれた。妄想ではない実際の声かけでも脳イキできる。

【快感の程度】
 妄想なので自分の精神状態に的確なセリフをいくらでも再現できる。膣内壁が擦れあい、まるで挿入されているような快感もあった。脳内のGスポットを妄想で刺激するイメージ。また、実際のセックスでの中イキ体験の凄さも妄想する際に一役買っている。(膣以外の感覚がなくなり、痙攣が始まって意識が飛ぶ)

【その他】
 妄想している同じ言葉でも、彼氏以外に言われたらと思うと気持ち悪いだけ。

 ◆◆◆

 いかがだっただろうか。各々が等しく「脳イキしました」と言っているプレイの内容がこれほどまで幅広いものになっているとは、筆者もインタビューしてみるまで想像できなかった。こうなると、一般的なセックスで行うとされる行為以外のすべてが脳イキに含まれると言っても良い。「性器に触れずとも脳が勘違いしてイってしまう」というのが脳イキの定義ならば、インタビューに応えてくれた彼女たちの体験は全員まさしく脳イキだった。

 では、脳イキに正解はないのだろうか? これについては今のところ、脳イキ=各々が創意工夫して楽しむ幅広いプレイであり方法論を統一できるようなプレイではない、と考えるのが良さそうだ。脳イキ師達が成功させた各々の手法はどれも間違っているわけではなく、単純に成功したその女性に対しては効果的だったという結果論で正しかったのだ。女性が何を好むかという個性が多岐にわたる以上、脳イキ達成への導線も同じだけ多岐にわたるはずで、そう考えると脳イキ師のテクニックは今後細分化していくのが自然な流れではないだろうか。「アイツの方法も俺の方法も、それぞれ相性が合う女性が居る」というわけだ。

 何より、他の愛撫とまったく同様に「相手にとって好ましいシチュエーションを上手く妄想させられるよう誘導するための深いコミュニケーションが快楽の鍵になる」という点が真に重要だと理解すれば、脳イキに導こうと男性が頑張ることはコミュニケーションを図る良い訓練になり得るだろう。幸いにして、女性は男性よりも想像力が豊かだと言われている。ならばその想像力を後押しするような言葉を見つけられればもはや成功は目前のはずだ。導く側に与えられたこのアドバンテージを活かせるよう、諸兄の健闘をお祈りする。
 それでは今回はこれにて。


 2018_09_14


 お題箱宛に「セフレと浮気は違うか?」という問いかけが届いていた。もちろんこのふたつは違うものだ。セフレとはセックスを目的とする関係を指すもので、浮気とは特定の相手以外の誰かへ心が移ろう心境を指す。思うに投稿者が本当に聞きたかった質問は「セフレは浮気に含まれるか?」だったのではないかと推測する。この質問をもう少し砕いてみると次のようになるだろう。

 恋人(伴侶)にセフレがいたら、それは自分に対する浮気に該当するか?

 まあ、ごく普通に考えれば「そりゃ浮気に決まってるでしょ」の一言で終わる話だ。彼氏や彼女、あるいは妻や夫が、自分以外の誰かを好きになっていると知って穏やかでいられる人はまずいない。恋愛関係においては唯一の相手を愛するのが当然、他の誰かを好きになったなら自分はもう愛されていないと考える、これがごく一般的な思考だろう。

 しかしだ。これをセフレという関係の定義から見てみるとちょっとおかしい話になる。セフレはセックスを目的とした関係ではあるが、そこに恋愛感情が伴っているかどうかは決定しない。というか恋愛感情があってセックスもしてるなら、それはもう恋人に等しいと言える。セフレという関係は恋愛感情が伴わないからこそ成立しているはずなのだ。ならば、パートナーにセフレがいたとしてもそのセフレを好きになっているとは限らない以上、セフレがいることと浮気はイコールでは結ばれないはずではないだろうか。(逆に言えば、そもそも浮気自体がセックスしていなくても成立する)

 …などと話をこねくり回してはみたが、現実には「不倫(不貞行為)」という定義によって社会道徳的に容認されないセックスが日本では定められている。本来は夫婦関係において適用される定義だが、これを多くの人が婚姻前の恋人関係にも当てはめているのが実情だろう。筆者も実のところ、パートナーにセフレがいたら浮気だという判断に異議を唱える気はない。

 問題はそこじゃなくて「なぜ」パートナーにセフレがいるのかという点こそが肝心なのだ。

 パートナーの気持ちがすでに冷めていてあなたとの恋愛関係を続ける気がないなら、わざわざセフレなんて作ったりせずとっくに別れ話を切り出されているはずだ。でも相手はあなたとの恋愛関係を継続しながら、セックスだけを外に求めている。つまりあなたを好きだという感情は持っているにも関わらず、あなたとのセックスには不満があるという可能性が高いと考るべきだ。繰り返しになるがセックスは恋愛感情なしでもできる。だからこそセックスに関する不満がパートナーとの間で改善できなければ、肉体的な快楽だけを求めてセフレを作るのだ。

 パートナーが抱えている不満の原因がわかりさえすれば、おそらく打つ手もあるだろう。しかし残念だが多くの人はセックスに関する不満を相談しない。しかも悪いことに、一番話さなければならないパートナーとの直接の相談を最も避けている。そして何より、相談する前から「そんな話は恥ずかしくてできない」とか「どうせ言ったところで直してはくれない」とか理由をつけて、相談することの有効性から目を背けている。要するに、最初から諦めの色が強く感じられるのだ。

 恋人がいるのにセフレを作るというのは、よほど激しいすれ違いや衝突が起きている場合にしか起こさない行動だと筆者は思っている(品性とかそういうのは個性なので議論しない)。セックスの相性というものはどうしても存在し、好きだからと言っても上手くいかないことはいくらでもあるだろう。でも、もしかしたらセックスの不満はそういった相性だけではなく、セックスに関して相談することを諦めているその姿勢によって無意味に肥大化しているのかもしれない。セックスの問題は本当に当事者同士でしか解決できない。パートナーにセフレがいるとわかって絶望するより前に、その相談が切り出せるようになることを願う。
それでは今回はこれにて。


 2018_09_13


 筆者はフェザータッチを世に広げるべく日々啓蒙活動を行っているが、これまでお会いした女性の約1割から、自分自身の容姿が問題で施術を断られるのではないかという趣旨の相談を受けてきた。実際のところは、事前にご挨拶でお会いする場合も、フェザータッチ施術当日が初顔合わせという場合でも、容姿を理由にしてそれ以降の流れを断ったことはないし、先日たまたまお題箱へそういった趣旨の相談を頂いたので「ご自身の容姿なんて気にせず気楽に来て欲しい」とツイートもした。

 容姿を心配している女性が何を問題視していたか傾向別にまとめると次のようになる。

・顔…かわいくない、モテるタイプではないという自己評価
・体格…高身長など主に骨格的な方向性
・体型…肥満やお腹が出ているなど主に肉付き的な方向性

 顔の作りや体格は手術でもしない限り変えられるものではないし体型もそう簡単に改善できるものではない。ちなみにこの中では体型に関して不安を感じている女性が比較的多かったように思う。

 さて、興味深いのは相談してくれている女性が上記のような容姿の問題を自身の恥ずかしさや引け目として言っているのではなく容姿が理由となって筆者が興奮できないから会ってもその先はしてくれないのではないかと言っている点だ。お会いして女性の顔や身体を見た筆者に「うわーこの女とはヤリたくねえー」みたいな感想を持たれはしないかと心配しているのだ。

 この傾向については、例え話として「一緒にモンハンしようって言ってる相手の容姿を気にして断ったりしないよね」という話をしている。筆者にとってはフェザータッチを施術するのもセックスを望まれて応えるのも、相手が楽しんでくれたり一緒に素晴らしい時間を過ごせたと思ってもらえるのが一番だからだ。読者の皆様もゲームで一緒に遊ぶ相手を、容姿が気に入らないからと断ったりはせず、ゲームを一緒に楽しめる相手かどうかで選ぶはずだ。

 こう書くと「じゃあ生理的に受け入れられないほど顔が気に入らなくてもヤれるの?」などと言ってくる人もいるが、その人がどんな人格でどんな考えや悩みを持ちどこを着地点としているかといった様々な要素を全部無視した顔だけの仮定話など検討したってしょうがない。むしろ、あなたは相手の顔が気に入るかどうかだけがセックスするかどうかの判断基準なのか?とこっちが質問したいぐらいだ。

 とはいえ、現実にはセックスする相手の容姿を多くの人が気にしている。カップルやご夫婦などすでに付き合ってる人達なら容姿ばかり拘ることは少ないと思うが、いわゆる出会いにおける第一印象はほとんど容姿で決まる(というか決める)といって差し支えないだろう。これがオフパコ界隈になると自分の容姿は棚上げして相手の容姿だけはどこまでも上を求めるという凄まじい自己中心的な傾向が現れるのだが、その心理はいったいどこへ向かっているのだろう。(もしかして最初からお付き合いする前提なのだろうか? まあ、もしそれが本気だとするなら、ただのオフパコ野郎よりは真剣だと言うこともできるが)

 もしセックスにおける満足度が顔のいい相手としたかどうかで決まると言うなら悲しい話だ。そこには新しい出会いの化学反応というものがまったく存在していない。容姿という初期値だけで結果も決まるのであれば、もはやセックスというコミュニケーションは必要ない。「すごい美人とセックスしたぜ」なんて話は「僕の知り合いに芸能人がいてね」とドヤ顔するのと同レベルのくだらない話で、外的評価でしか自己肯定を得られない一例に過ぎない。

 ある女性が皆から羨ましがられるほどの美貌を持っていたとしても、セックスを能動的に楽しもうという意志を持っていないなら、筆者はその女性とは全然セックスしたいと思わない。なぜならそれは根本的にコミュニケーションを否定されているに等しいからだ。それはフェザータッチでも同じ。フェザータッチに興味を持って連絡をくれた女性は、その時点でコミニュケーションを求めてくれている。それが嬉しくて全力で応えたくなる。だから容姿なんて気にしない。出会うことの素晴らしさはいつもそのやり取りの中にあるのだから。
それでは今回はこれにて。


 2018_09_04


 射精という現象は男性自身の感覚のみならず絶頂のサインとして他人の目にも明らかなので、セックスにおいて男性側がイッた回数を示す数字としてもよく使われている。そして遥か昔からこの数字は多い方が良いとされてきた。それはおそらく次のような理由があったからだと考えられる。

・射精回数が多いほど妊娠の確率を高めることができる(生存本能)
・より多くの回数射精できることが精力の強さを示す(男同士での力の誇示)
・射精回数が多い=女性を喜ばせられる回数が多いという考え方(女性に対するプライド)

 1回の射精で出せる精液の量を増やすのは難しいが射精回数なら精神力と訓練で増やすことができる。一部では精液の量が多いのも良いことだという節はあるものの、その量をわざわざ測って比較する人はまずいないし、3mlと6mlで俺の方が2倍も出てるぜ!と主張したところで相手は大した凄みも感じないだろう(わーすごいねーと言われて1分後には忘れられている)。

 だが回数という数字は絶対だ。1回しかできない男にとって、2回めの射精は遥か彼方に霞んで見える幻のようなもの、自分ひとりの力ではまず辿り着けない。逆に3回ぐらい余裕でできる男はセックスという行為そのものに少なからず自信を持っているし、1回2回でバテているような男はセックスという駆け引きにおいて警戒無用の存在に見えていることだろう。あるいは、もし女性から「えー、1回で終わりなのー?」と言われたらショックを感じる男性も少なくないはずだ。男達は、周りの男達が口にする射精回数の真偽も問えないまま、一晩のセックスにおいて何とか1回でも多く射精しようと頑張っている。

 と、概ねここまでが主に男性目線で捉えた射精界隈(笑)の話だ。問題はこのような実態を女性側がどう思っているのかという点である。いろいろ聞いてみると女性からの意見としても、射精する瞬間を見たい、射精してくれると嬉しい、射精=セックスの終わりあるいは区切りと捉えている、などのいろいろな視点があり、射精という現象それ自体は概ね好意的に捉えられているようなのだが、男性と決定的に違うところがひとつあり

女性が気持ち良くなれているのは射精より前の時間帯であり、女性にとって射精は単なる結果でしかなく、回数の多い少ないは女性の満足度に影響していない

 というのが多くの女性の心理として読み取れる。セックスにおいて絶頂の瞬間が一番気持ち良いのは間違いないが、それは絶頂に至るほどの快感が存分に楽しめたからこそ到達できる境地なのであり、快楽を楽しんでいる時間は絶頂までの道程の方が明らかに長い。振り返って冒頭の射精回数が多い方が良い理由を見直してみると、そこにセックスそのものを楽しむ気持ちや相手に満足してもらうための理由がまったく成立していないことがおわかり頂けると思う。射精というわかりやすい数字だけを追いかけて、結果ばかりを重視した、女性にとってはまるで意味のない価値観が未だに存在しているのだ。

 終わりよければ全て良しという言葉があるが、セックスの終わりは男性の射精ではなく両者の満足だ。射精して満足してるのは貴方だけ、それで「終わりよければ」と思い込んでいるのも貴方だけだ。何回射精したかなんて競うぐらいなら、相手に充分満足してもらう事に全力を傾ける方がまだ良いだろう。男性諸兄の正しい努力に期待する。それでは今回はこれにて。
 2018_07_23


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